学校が求める以上に子どもが学べるように、自分で作ったアプリ
わが家の冷蔵庫に貼った表は、2週間ほどで終わりました。その代わりになったものは2度作っていて、2度目は1度目のほとんどを捨てています。
表のこと
紙の表ではけんかを収められません
よくあるものでした。左に名前、上に曜日、ポイントはボールペンで書き足す。誰かが表の前に立っているあいだは機能しますが、1年のかなりの期間、誰も立っていませんでした。私はノルウェーで働いていて、家族はハンガリーにいます。
本当の問題は距離ではありませんでした。ボールペンで書いたポイントは、ポイントが与えられたことを記録します。何に対して与えられたかは記録しません。1か月後、合計は誰にも説明できない数字になります。誰にも説明できない数字は、子どもが当然のように言い返せる数字です。
足りないもの
学校アプリが伝えるのは、学校が出した課題です
宿題が出たこと、そして提出されたかどうかは教えてくれます。そのためのものですし、その役割はよくこなしています。
ただ、どのアプリも、学校の範囲に足して読ませたかった読書や、追加の算数や、家庭で大事だと決めたそのほかのことはカバーしません。そうした取り組みを置く場所はなく、そこに何かをひもづける方法もありませんでした。
考え方
家庭は小さな組織です
表のことを考えるのをやめたとたん、形ははっきりしました。家庭のごほうびの仕組みは、4つのステップの流れです。
- 誰かが仕事を決めて、いくら分かを言う。
- 別の誰かが、やり終えたと申告する。
- 権限のある人が、その申告を承認する。
- 残高が動き、理由がその横に記録される。
学びは、そのリストのなかでほかの何とも同じ価値で並びます。20分の読書には、食器洗い機を片づけるのとまったく同じように値段がつき、同じように承認されます。そこがすべてで、学校をめぐる別枠の言い合いではなくなり、値段のついた仕事になります。
そこから、1つの記録に対して3つの見え方ができました。保護者側はやることを設定して承認します。子ども側は、いまいくら貯まっていて、ごほうびにいくらかかるかを見られて、提出と履歴の閲覧もできますが、どれも書き換えられません。Apple TV アプリは残高を部屋のみんなに見せるだけで、承認は一切しません。子どもの手のなかにあるリモコンが、その子のお手伝いを承認してしまってはいけないからです。
自分にポイントを出す人はいませんし、誰も履歴をこっそり直せません。どのごほうびよりも、そこが言い争いを終わらせました。
作り直し
最初のバージョンには、払い続けることになる請求書がついていました
最初は FlutterFlow で数か月かけて作りました。自前のバックエンドと自前のデータベース付きです。動きました。そのあとで、そのデータベースを持つことが実際に何を意味するのか、値段を出してみました。
子どものデータを預かるのは保管の問題ではなく、続いていく義務です。GDPR のもとで、処理の目的ごとに法的根拠がいります。子どもが関わるので影響評価もいります。誰かが思い出したときではなく期限どおりに消す保存期間の決まり。72時間以内の侵害通知。バックアップの奥まで届く削除請求への対応。機能を変えるたびに正しいままでいるプライバシー通知。アメリカの13歳未満の利用者には COPPA がさらに一層を重ね、その改正規則は2026年4月に完全施行されました。
この作業は、開発の承認をした人が全員別の仕事に移ったあともずっと続きます。1人で作っているアプリにとっては、プロジェクト全体でいちばん大きな継続コストで、しかもそのどれ1つとして製品をよくしません。
そこで作り直しは Xcode に移り、データは各家庭それぞれの iCloud に置きました。アカウントなし、何かを預かる私のサーバーもなし、トラッキングもなし、私が守るべき、あるいは失うかもしれないデータベースもなし。Apple のアプリ情報には「データを収集していません」と書かれています。そう書かれているのは、向こう側に本当に何もないからです。
数か月分の作業を捨てるのは気持ちのいいものではありません。それでも、続いていく義務を正直に値づけしてみれば、こちらのほうが安い選択でした。量のかかる作業を Claude Code に任せて、作り直しはやり直しから App Store まで3週間ほどでした。
家では
実際に変わったこと
言い争いはなくなりました。これは予想どおりです。予想していなかったのは、計画するようになったことです。画面のうえにあって、理由つきで動く残高があると、子どもは何週間も1つの数字を頭のなかに置いておけます。そこが貯金の始まりでした。
息子は今年から学校で、まだ字が読めません。読書のところにいちばんポイントがあると気づいたので、いまは急いで読めるようになりたがっています。学校とはまったく関係のない理由でです。車のために貯めています。本物の車です。どれくらいかかるかは、まだ伝えていません。
娘は表のときよりも本を読み、算数もやるようになりました。自分で値段を決めた画材のために貯めています。2人とも、これを学校の勉強だとは思っていません。うまくいっている理由はそれだけです。